2022年度
(令和4年)
 

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健康管理ニュース

 12月(102号)
食中毒に注意~ノロウィルス~

毎年、冬になると流行しやすいのがノロウイルスによる胃腸炎や食中毒です。農林水産省によると、近年の食中毒届出件数は、
年に
1,000件程度、患者数は15,000人程度で推移しており、このうち、ノロウイルスによる食中毒は、食中毒件数の2割、食中毒患者数
5割を占めているそうです。
これからの季節は注意が必要です。そこで、今回は『ノロウイルス』に関するお話です。

 
 

ノロウイルスとは

 ノロウイルスは、嘔気・嘔吐と下痢を主症状とする急性胃腸炎の原因ウイルスのひとつです。手指や食品などを介して、経口で感染し、
 ヒトの腸管で増殖し、嘔吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、体力の低下した方や小児においては重症化
 しやすいので注意が必要になります。感染力は非常に強く、老人ホームや保育所等での集団発生例をみることもあります。

 【原因】

<ヒトからヒトへの感染>

  •患者のノロウイルスが大量に含まれる糞便や吐物から人の手などを介して二次感染したケース
 •家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染するケース

<食品からの感染>

  •食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などを含む)が感染しており、その者を介し
   て汚染した食品を食べたケース

   •汚染されていた二枚貝(カキなど)を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べたケース
  •ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取したケース

症状・治療について

 【症状】2448時間の潜伏期間を経て、嘔吐、下痢、腹痛が出現し、多くの健康な方は2日ほどで回復に向かいます。しかし、小児や
   高齢者、基礎疾患のある方は、脱水症状が体力の低下につながり、直接の原因にはならずとも致命的になることも考えられます。また、
   吐物を誤嚥し窒息や肺炎の原因となることがあります。

 【治療】効果のある抗ウイルス剤はないため、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こし
  たり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの
   治療が必要になります。

普段から「感染しない」対策を

 【手洗いの徹底】手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。調理を行う前、食事の前、トイレに行った後、下痢等の
   患者の汚物処理やオムツ交換等の後には必ず行いましょう。

 【食品の十分な加熱】一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。二枚貝などを調理する際は、
   中心部が
85℃~90℃で90秒以上加熱しましょう。

最後に

 仮に自身が感染者となった場合、自身の回復を心がけると共に、手洗いや消毒など「感染を拡大させない」意識が大切です。また、周り
  で急性胃腸炎の症状が見られた場合は、ノロウイルス感染拡大を防ぐことを念頭に置いた対策を取りましょう。

冬だからと言って「食中毒」に対する油断は禁物。常日頃からこまめな手洗いを基本に、自分や周囲の方への感染を予防していきましょう

 
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