◆新型コロナとインフルエンザ “流行の可能性 極めて高い”
「10月から来年3月にかけ新型コロナとインフルエンザの流行が発生する可能性は極めて高い」とする文書を新型コロナの対策に
当たってきた専門家が連名で、10月5日に厚生労働省の専門家会合に提出しました。
これを受ける形で、専門家会合は「秋以降、インフルエンザが例年よりも早く流行し、新型コロナとの同時流行になることが懸念
されこうした事態を想定した対応が必要だ」と指摘しました。
◆過去2年なかったインフルエンザの流行
新型コロナの感染が始まる前は毎年冬にインフルエンザが流行していました。1つのシーズンで1000万人、多い年には2000万人が
感染したと推計されています。新型コロナの出現以降、インフルエンザ患者は激減し、国立感染症研究所の推計によると2020年から
21年はおよそ1万4000人、2021年から22年はおよそ3000人でした。インフルエンザは、東南アジアやアフリカなどの地域では1年を
通して感染が広がっており、それが国際的な人の移動で各国に流れ、ウイルスが広がる環境ができやすい冬の時期に大規模な流行を
起こすと考えられてきました。
それが、コロナ対策で国際的な人の行き来が制限されたり、人と人との接触が少なくなったりした影響で、インフルエンザの流行も
起きなかったとみられています。
◆同時流行下で発熱 私たちはどう対応?
では、もし新型コロナとインフルエンザが同時流行する事態になり、症状が出た場合、私たちはどう対応すればよいのでしょうか。
政府は10月13日、発熱など体調不良の時にどう受診すればよいか、考え方を示しました。
【 重症化リスクがある人の場合 】
小学生以下の子どもや妊婦、基礎疾患のある人や高齢者といった重症化リスクのある人は、速やかに発熱外来やかかりつけ医を
受診します。受診した医療機関で新型コロナウイルスとインフルエンザの検査を受け、診断に応じて、治療薬の処方を受けるなどの
対応をとります。
【 重症化リスクが低い人の場合 】
若い世代など重症化リスクが低い人は、自宅などで抗原検査キットを使って新型コロナに感染しているか確認します。陰性の場合は
電話やオンライン診療、かかりつけ医などを通じてインフルエンザかどうか診断を受け、必要に応じて抗インフルエンザ薬の処方を
受けます。陽性の場合は健康フォローアップセンターを通じて登録し、自宅療養となります。ただ、症状が重いと感じるなど受診を
希望する場合には、発熱外来やかかりつけ医を受診するとしています。
◆最後に
新型コロナもインフルエンザも呼吸器の感染症で感染経路は似ており、取るべき対策は大きく変わりがなく、以下のような対策が
基本になるとされています。
▽発熱などの症状がある場合は学校や仕事には行かず、ほかの人との接触を極力避ける。休養が重要。
▽手指の消毒、屋内で人と近い距離で会話する場面などではマスクを着用する。飲食店などでは換気を徹底する。
同時流行した場合の感染の規模を小さくする意味でも、こうした基本的な対策を常に心がけて行動しましょう。
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