2020年
12月号

令和2年12月1日  
     


    九州地区             

 

  健保組合より大切なお知らせが掲載されています。

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  健康管理ニュース
  12月(78号)

    気を付けて『ノロウィルス』

  今年も早いものであと1ヶ月となりました。12月はクリスマスや年末など、忙しくも楽しみな季節ですが、今年はコロナ禍
 により不要不急の外出自粛要請があるなど、活動が制限された中での年の瀬となります。

  また、この時期に注意が必要なのは、ノロウイルスによる胃腸炎や食中毒です。年間を通してみられますが、例年12月は
 ノロウイルスの感染者がピークになる時期のため、特に注意が必要です。

  そこで今回は『ノロウイルス』に関するお話です。

ノロウイルスとは
 ノロウイルスは、嘔気・嘔吐と下痢を主症状とする急性胃腸炎の原因ウイルスのひとつです。手指や食品などを介して、経口
 で感染し、ヒトの腸管で増殖し、嘔吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、体力の低下した方や
 小児においては重症化しやすいので注意が必要です。感染力は非常に強く、老人ホームや保育所等での集団発生例をみること
 もあります。

  平成29年の食中毒発生状況によると、ノロウイルスによる食中毒は、事件数では、総事件数1,014件のうち214件(21.1%)、
  患者数では総患者数
16,464名のうち8,496名(51.6%)で、病因物質別の患者数では第1位となっています。
 【原因:ヒトからヒトへの感染】•患者のノロウイルスが大量に含まれる糞便や吐物から人の手などを介して二次感染 /•家庭や
  共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染

 【原因:食品からの感染】・食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などを
  含む)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べて感染

     •汚染されていた二枚貝(カキなど)を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べて感染 /•ノロウイルスに汚染された井戸水や
    簡易水道を消毒不十分で摂取して感染


普段から「感染しない」対策を
    ・「手洗い」の徹底…手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。調理を行う前、食事の前、トイレに行っ
  た後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後には必ず行いましょう。

  ・食品の十分な加熱…一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。二枚貝などを調理
  する際は、中心部が
85℃~90℃で90秒以上加熱しましょう。
  ・調理器具などからの二次汚染の防止…ノロウイルスはアルコール消毒では完全にウイルスの活性を失わせることができません。
  ノロウイルスに汚染された可能性のある調理台や調理器具の消毒、殺菌には次亜塩素酸ナトリウム:塩素濃度約
0.02%(200ppm
  を用いるか加熱による処理が有効です。※消毒液は家庭用の塩素系漂白剤を薄めて代用することもできます。


感染してしまったら… ~二次感染の予防~
  ノロウイルスに感染した場合、感染者は自身の回復を心がけると共に、手洗いや消毒など「感染を拡大させない」意識が大切です
  。また、周りで急性胃腸炎の症状が見られた場合は、ノロウイルス感染拡大を防ぐことを念頭に置いた対策を取りましょう。
  また、吐物や汚染物の処理には、次のように十分な配慮が必要です。

   <吐物やふん便>紙タオルで静かに拭き取り、処理後その場所を次亜塩素酸ナトリウム消毒液:塩素濃度約0.02%(200ppm)で
  浸すように床を拭き取る。その後、水拭きをする。

   <衣類>消毒液に浸けた後、単独で洗濯する。
   <カーペット>洗濯用洗剤で拭き取り、水拭きした後、スチームアイロンにて約2分間加熱する。
  ※処理時は、手袋・マスク・エプロン(使い捨てできるもの)・足カバー(ポリ袋+ゴムでも可)等を装着し、室内は換気する。

最後に
   冬場は、コロナ、インフルエンザを含めて感染症全般への対策が必要です。常日頃からこまめな手洗いを基本に、自分や周囲
  の方への感染を予防していきましょう。
                                以 上

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