2022年
1月号

令和4年1月1日

     

         九州地区             

 

  健保組合より大切なお知らせが掲載されています。

    月毎に掲載 
     
 21年4月 5月 6月  7月 8月 9月

0月 11月
12月
2022年1月
2月
3月

2022(令和4)年
健康管理ニュース
 1月(91号)

身近にある肺炎のリスク!

先月は、COPDに関するお話でしたが、今月も「身近にある肺炎のリスク」と題して、肺に関するお話を
 お届けします。

 
 肺の機能
    人が生きていくために欠かせない呼吸にまつわる体の組織を呼吸器と呼び、鼻腔や咽頭などから気管・気管支を経て
  肺に至る一連の器官を指します。このうち、肺は空気から酸素を体内に取り込み、逆に体内でつくられた二酸化炭素を
  体外に排出する「ガス交換」という大事な役割を果たしている臓器です。

肺炎の死因について
 厚生労働省の2019年人口動態統計によると、年間約95000人が亡くなっており、死因別では、がん・心疾患・老衰・
 脳血管疾患に次いで
5位、別の疾患として分類されている誤嚥性肺炎の死者(約4万人)を合わせると3位です。肺炎は
 高齢者の罹患率・死亡率がともに高く、とくに注意が必要です。

肺炎はどうやって引き起こされるのか?
 肺に病原微生物が感染して炎症を起こすと肺炎になります。1日に80001万リットルの空気を吸い込む肺は、無数の
  細菌やウイルスの脅威に常にさらされた状態です。肺の組織や空気の通り道である鼻腔や気道にはそれらを肺に侵入
  させない防御システムが備わっています。しかし、細菌やウイルスの量が多かったり、加齢や持病で防御機能が低下
  していたりすると感染して炎症を起こします。

◆肺炎の原因
 原因となる微生物は「肺炎球菌」「マイコプラズマ」などの菌や「インフルエンザウイルス」「コロナウイルス」など
のウイルス、さらに真菌(カビ)など多岐にわたります。なかでも最も多いのが、文字どおり肺炎を起こす球状の細菌
である「肺炎球菌」です。名前に「肺炎」の文字を冠していますが、肺以外にも感染症を起こします。とくに小児では
しばしば中耳炎、副鼻腔炎の原因となり、時に進行して髄膜炎を起こすこともあります。小児の鼻やのどにすみつき、
せきやくしゃみによって成人に感染することも多いと考えられています。

新型コロナウイルスによりすっかり知名度を上げたPCR検査は、急速に普及が進んだことで、これまでの認識より肺炎
の原因としてウイルスの頻度が高いことがわかってきました。ウイルスに罹患した後に細菌感染を起こすこともあり、
有名な「スペインかぜ」も直接の死因はインフルエンザ後の肺炎球菌性肺炎であったとされています。

最後に
 新型コロナにより習慣化したマスク着用、手洗い、「3密」回避などはいずれの感染症にも有効な予防法です。
  それにより昨年のインフルエンザの発症が極端に少なかったのはよく知られています。又、肺炎球菌、インフルエンザ
  ウイルス、新型コロナウイルスには有効なワクチンがあります(ご存じとは思いますが)事前に医師にご相談いただく
 必要がありますが、予防の選択肢の一つとして考えてみるのも良いのではないでしょうか?

                                                                     以     上
 
2021年12月

2022年2月