2021年
8月号

令和3年8月1日

     


         九州地区             

 

  健保組合より大切なお知らせが掲載されています。

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2021
(令和3)年
健康管理ニュース
 8月(86号) 

水中運動の効果について

近年、メタボリックシンドロームの予防や改善に、また介護予防に運動が必要不可欠ということが言われています。
  「この暑い中、運動なんてとんでもない」と考えられる方も多いかと思いますが、この時期に、お勧めなのが「水中運動」です。
  水が本来持っている性質を活用することで、夏でも快適に、そして効果的に運動することができます。そこで今回は「水中運動」
  に関するお話です。

◆ 水の特性と運動効果
   水中運動は、水が持つ特性を活用することで、陸上での運動と異なる効果を得ることが出来ます。水が持つ特性とその特性から
  もたらされる運動効果についてご説明します。


  ① 浮力
   水中では水に浸かっている身体部分の体積と同じ体積の水の重さが重力と反対方向に作用することで浮力が生まれます。
  この浮力によって、体重が軽く感じるようになるため、水中では、腰や膝への負担が小さくなります。陸上では腰や膝に痛みが
  あって運動が難しかった方も、比較的運動がしやすくなります。また、身体が水中に浮いて軽くなることで、身体が不安定に
  なるため、安定させようとしてバランス能力なども高まります。さらに、水に浮くことで筋肉の脱力ができ、リラックス効果も
  期待できます。

   ② 水圧
   水圧は水深が増すほど強くなります。この水圧によって、水中に立っているだけでも、下肢などが圧迫され、下半身の血液が
  心臓に戻りやすくなり、血液の循環が促進されやすくなります。そのため、陸上などでの運動後に水に浸かることで、クール
  ダウンの効果も期待できます。また、肺にも圧力がかかることで肺活量が減少することで身体は酸素を多く取り込もうとして、
  呼吸筋の働きが活性化し心肺機能が高まります。

  ③水の抵抗
   水には粘性があるため、水中を移動すると移動する方向とは逆向きに水の抵抗を受けます。そのため、陸上と同じような動作でも、
  水中のほうが消費エネルギーが大きくなります。また、動作の速さや動き方によって、抵抗の大きさも変化します。
  そこで、手の平や身体の向きを自身で変化させることで、身体への負荷を調整できるため、体力や筋力に合わせて、運動負荷を
  コントロールし、安全に運動を実施することが可能となります。加えて、水の抵抗は日常使いにくい筋肉を刺激することにも
  つながります。


  ④  水温
   水温は体温よりも低いため、身体に備わっている体温調節作用が働き、体温を上げるために熱を産生します。
  そのため、エネルギー代謝が活発になることで、消費エネルギーを高めてくれます。


 最後に
  「泳げないから」と敬遠しがちな水中運動ですが、水に浸かる、水中で歩くだけでも運動効果があります。水中運動は膝や腰へ
  の負担を軽くしつつ、無理なく筋力や心肺機能の向上、代謝アップにつながりますし、ご自身のペースで長時間運動することも
  可能です。水中運動の運動量は陸上での早歩きと同じくらいです。是非、水の特性を上手に活用して、暑い夏も快適に運動を
  取り入れて、健康管理をしてください。

  ただし、デルタ株によるコロナの感染再拡大もあり、今は感染防止が第一優先と思います。普段の日常生活が取り戻された暁には
  是非、実践してみてください。
                                                                                              
                                                                                以 上


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