◆ 熱中症について
熱中症は、体内の水分や塩分のバランスが乱れたり、体温の調整や循環機能などがうまく働かないことで引き起こされます。
発症は6月~9月に多く、梅雨明け前後の7月~8月は特に注意が必要です。
日本救急医学会から出されたガイドラインによると熱中症は、重症度に応じて次の三段階に分類されています。
○Ⅰ度…めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)など→通常は現場での応急処置
と見守りで対応が可能。冷所にて安静、体表の冷却、経口的に水分と塩分を補給する。
○Ⅱ度…頭痛、嘔吐、けんたい感、虚脱感、集中力や判断力の低下など→医療機関を受診する(診察が必要)。
体温管理、安静、十分な水分と塩分の補給をする(経口摂取が困難な場合には医療機関にて点滴)
○Ⅲ度…意識障害、けいれん発作、身体を思うように動かせないなど(運動障害)→医療機関に速やかに搬送する
(入院加療が必要)。
熱中症は屋外だけでなく、屋内でも起こる可能性があります。熱中症になり易い人は、男性、糖尿病や高血圧などの持病が
ある人、高齢者、子どもといわれています。熱中症で死亡する場合もあり、熱中症を侮ってはいけません。
◆ 熱中症、どう防ぐ?
では、熱中症を防ぐにはどうしたら良いでしょうか? 以下を参考にしてみて下さい。
・冷房や扇風機などを我慢せずに使用する。
・風通しを良くしたり、日差しを遮る工夫をする。
・水分と適量の塩分の摂取をこまめに行う。水分と塩分を同時に補える商品として、経口補水液(薬局などで購入可)がある。
スポーツドリンクでも問題はないが、スポーツドリンクは塩分よりも糖分が多いことに留意する。
・通気性の良い服装を身につけ、屋外にいる時には帽子あるいは通気性の良いヘルメットを着用する。
・屋外にいる時には、屋内や涼しい場所での休憩を適度にとる。
・食事は3食摂取し、睡眠時間を確保した規則正しい生活を送る。
・日頃から天気予報などで気温や湿度、気象情報を確認する。
・体調不良の日は特に無理をしない。
・少なくとも年に1回は定期健康診断を受け、健康管理を行う。持病がある場合は、定期的な通院や服薬を徹底する。
◆ 熱中症になってしまったら
熱中症になった場合の応急処置としては、以下の対応などが挙げられています。
・涼しい、直射日光を避けることができる場所に移動する。
・水分を飲ませる。
衣服をゆるめ、楽な姿勢をとらせる。
・身体を冷やす(例---冷やしたタオルや氷などを首・脇の下・足のつけ根に当てる、衣服に水をかける、風を当てる、など)
熱中症の症状の中でも特に意識障害の程度や体温、発汗の程度などは短時間で大きく変化することもあります。
症状が軽いからと安易に思わず、早めに医師の手当てなど受けるようにしましょう。
以 上
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